両親が農業をやっていましたけれど、私は素人。野菜作りの常識すら知らずでした。でも結果としてそれがよかったようですね。既存の方法にとらわれず、回帰水のよさを信じていけましたから。
そもそも回帰水と出会ったのは両親の病気がきっかけ。
平成10年の夏、父は末期の胃がん、母は背骨を骨折して起き上がれずで、別々の病院で二人とも明日をも知れない……という状態でした。
そんな折、学生時代からの友達が回帰水を持ってきてくれたんです。
「がんが治るとはいわないけれど、手術後の傷の治りが早いから」と言って。
飲ませていたら両親ともどんどんよくなって、余命2ヵ月と言われていた父も年末には退院できました。翌1月のことでした。父が「この水でブロッコリーを育てよう」と言い出したんです。もうトシですしバッサリお腹も切っているし、肥料や農薬は1袋平均20キロはありますからね、持てるわけがない。「だれがすると?」「おまえが」……で、父のために1反(300坪)くらいなら仕事しながらでもできるからと始めたわけ。
回帰水を教えてくれた友達に聞くと、農業のことはまったく分からないけれど「お水の本社はすぐ近くにある」。さっそく話を聞きに行きました。1時間以上もかけて丁寧に説明してくれたんですよ。我ながらびっくりですけれど、その場で『無農薬号』を契約して帰りました。
父親のために始めた農業にすっかりはまって
回帰水を撒くだけで農薬は絶対に使ってはいけないという指導も、父は今までの経験から「このままでは虫がついて駄目になってしまう」と心配するので、しばらくは畑に行けないように車とトラクターの鍵を私が持ち歩いていました。ブロッコリーの収穫までは4ヵ月ほどかかりますが、最初の頃はどうってことなかった苗が、4ヵ月後にはびっくりするようなブロッコリーに育っていたんです。その年は雨が多くて他の畑は全滅状態。毎日出荷できるのはうちだけ、しかも通常の3〜4倍もの値がついて…。年末に計算したらそれまでかかっていた農薬代40万円が0。当時、無農薬号がたしか33万円位でしたから7万円のプラス。こりゃ、たいしたものだと、すっかり農業がおもしろくなってしまいました。
今でこそ、無農薬だ有機栽培だと評価されていますけれど、平成15年位までは、農薬を使わないと虫がついて隣の畑にまで被害が出るとか、いろいろ言われました。田んぼには『どんぶら子』を何個か入れていたんですが、「農薬をパックして浮かべているの。賢いね」ですって! 難しい科学的なことは分かりませんが、回帰水は水の粒子がこまかいからでしょうか、肥料の溶けがいいし、作物の根の張りもいいですね。
タイセイ本社にあるレストランに野菜類を届けていますが、シェフの方たちが珍しい野菜を希望されるので、種を取り寄せていろいろチャレンジしています。楽しいですよ、野菜作りは。