愛知県の南西部・三河湾沿岸に位置する西三河一帯は、野菜や花など古くから農業の盛んな地域。
年間を通して温暖な気候のこの地を選び「セカンドライフは農業を」といちごのハウス栽培を営んで7年目になる石川さんご夫妻。
高校・大学と農学を専攻していたご主人の良雄さんが50歳を目前にして早期退職、サラリーマンから転身を図った結果です。いろいろな作物候補のなかからいちごを選択したのは、当時、『西三河産のいちご』がブランドとして確立してきていたこと、そして「いちごを見ると、誰もがにっこり笑顔になるでしょ。それがいいなぁ、と」思ってのこと。加えて、地元JAの推奨にも背中を押されました。
ハウス内は高設ベンチ栽培とし、手がけているのは大ぶりで上品な甘さの「章姫」と、香りがよく味が濃厚な「紅ほっぺ」。
ところが井戸水を使った初年度は、果肉は固いは酸っぱいはで、惨憺たる結果でした。水質検査の結果、この地域の水は鉄分が多くてpH3と酸性が高いことが原因と判明、水道水への切り替えに併せて回帰水(農業用生水器 無農薬号)を導入することに。
「ハウスまで水道を引くコストを聞いたら結構な額で。生水器も高くないじゃない、と気が大きくなっちゃって(笑)」と奥様の恵子さん。
農薬の使用量が減少し、安全安心
翌年からは、果肉に弾力が出て糖度も上がり、順調な収穫が続いています。味の良さはもちろんですが、使う農薬の量が減ったことが嬉しいという恵子さん。「害虫のほかカビ、腐りが出るので、不本意ながら無農薬というわけにはいきません。でも、回帰水を使えば少量でも防除効果が得られます。やはり、少しでも安心・安全な物を提供したいですものね」
最初は遠巻きに見ていた周囲の農家の人たちも温かく受け入れてくれ、すっかり地域に溶け込んだ石川さんご夫妻。手伝ううちに息子の準さんも後を継ぐことを表明。4棟から始まったハウスも今では15棟になりました。
収穫期は11月半ばから6月初旬までで全国への発送も行っており、猫の手も借りたい繁忙期には、近所の保育園に通う子供のお母さんたちの手を借りて乗り切っています。
新たなことに挑戦するには、体力も気力も必要なもの。「両方とも十分にある年代のうちに、人生の舵を切って正解でした」と、石川さんご夫妻。ハウスの近隣に「社会福祉法人くるみ会」(本誌・2010年秋号で紹介)の施設があることもあって榊原理事長が様子を見にきたり、西尾市街で健康的な食品を扱っている「コスモEMタウン」さんがやってきたりと、毎日のように回帰水仲間が集まってきて、日々充実したセカンドライフを送っています。
★地方発送(1〜5月)の注文先:コスモEMタウン
TEL(0563)54-1018 e-mail:emtown2002@ybb.ne.jp
いちご農園 じゅんじゅん
愛知県西尾市吉良町津平東深1
TEL(090)3444‐7500