和歌山 王子水産 ~回帰水の極上しらす~

 

網元ならでは可能の新鮮さと回帰水で、極上しらすを堪能して

美味しいお米で炊いたご飯はそれだけでご馳走ですが、よいお供があれば尚更。「しらす」などいかがでしょう。この日本人の食卓に欠かせない海の幸の加工にも回帰水は活躍しています。

世界遺産で知られる熊野地方の豊かな漁場で自社船によるしらす漁を行い、加工から販売まで一貫して行っている王子水産。社長の中村誠二郎さんは地元の網元の三代目にあたります。

一般に、漁と加工は別々の会社で行われており、水揚げ 競り 落札した加工業者が加工場へ、とそれぞれの段階で時間のロスが生まれるもの。それを一括して行えるために競りも不要、水揚げから加工場まで最短時間で運ばれロスがありません。鮮度管理も状況に応じて「もっと温度を下げるように」など陸から船に直接指示ができ、加工場まで一定の状態に保つことができることも、大きなメリットです。

こうして運ばれたしらすは網元ブランドとして「釜揚げしらす」「上乾ちりめん」「ちりめん佃煮」へと加工されていきますが、なかでも一番人気は「釜揚げしらす」。獲れたてのしらすを流水で洗い、大釜に入れて塩でふっくら炊き上げます。漁期は春と秋の半年ほどで、大漁時には4トン釜で日に6〜7回も炊くのだそう。「一日寝かすと味が落ち、その差は歴然。お客様には一番おいしい状態で食べていただきたいから、獲れた日のうちにゆでています」と、専務の京美さん。天候やしらすの状態によって塩加減は微妙に調整が必要で、そこは長年の経験による熟練の技がものをいいます。

塩加減といえば、3年前に加工場に「MB‐3000」を導入して以来、使う塩の量が減るように。「浸透性が高いとは聞いていましたが、本当に塩がよくきくんです」。少量でも以前と同じ味に仕上がるため、塩分を気にしている向きには朗報です。加えて鮮度が保たれたまま日持ちもするようになり、「おいしい状態のまま、少しでも長く食べていただけるのがありがたいですね」。

王子水産の商品は個人客を相手の受注販売が基本。長年贔屓にしてくれるお客様が自宅用にするほか贈答用として全国へ送り、そこから新たに注文が入り…と、口コミで人気が広がっていった結果です。自然が相手だけに漁期も限られ、漁獲量にも波があります。よそから仕入れて加工だけを行うという方法では品質を保証できない、とお客様には申し訳ないながら時期によっては多少待ってもらうことも。それでも「ここのを食べたらよそのは食べられない」と、心待ちにしてくれるお客様が多く「やりがいを感じますし、なにより励みになります」。

現在は長男が船を、次男が工場を担当とサポート体制も万全、世代交代のバトンも順調に渡されつつある模様。網元ブランドならではの味は、回帰水と共に次の世代へと受け継がれていくことでしょう。

 

 

和歌山県新宮市王子町3丁目10‐6

TEL(0735)23‐1828

2015年04月16日