老舗居酒屋・独酌三四郎*回帰水使用のお店*

 

 

創業昭和21年の、旭川の老舗居酒屋「独酌三四郎」。
ここでは、炭火のかまどで燗を付け、地元の食材を季節ごとに楽しませてくれます。このこだわりの店で、お酒への見識と情熱、そして何よりその人柄で、多くの常連客に信頼され慕われている、女将の西岡美子さん。
旭川から全国に旅して、20年にわたって日本各地の蔵元を見てきた美子さんは今、地元旭川に根差した米作り、酒造りに関わり、その思いは、地域に根差した酒文化にまで広がっています。

 

 

日本酒に魅せられ、20年間全国各地の酒蔵を巡る

しんしんと冷える北国・旭川の夜、その街角に灯かりを点す老舗の居酒屋。かじかむ手で扉を開けると、思わずほっとする温かなもてなしで迎えてくれる、そんな店が「独酌三四郎」です。創業は昭和21年。60年に及ぶ時の流れは、柱などの木肌を艶やかな飴色に染め、創業以来ずっと燗を付け、鳥や魚を焼いてきたかまどの炭火は、人の身と心もぬくめてくれるよう。2代目店主の西岡あきらさんの妻で、女将を務める西岡美子さんは、北海道で初めてきき酒師となり、現在は日本酒学講師でもある、日本酒の専門家です。
美子さんが日本酒に魅せられたのは29歳のとき。「当時、店では地酒しか扱っておらず、本州のお酒はほとんど口にしたことがなかったんです。あるときお客様からお土産で、仙台の『浦霞』というお酒を頂いたんです。このお酒は全く無名だったのが、その頃、全国新酒鑑評会(全国の日本酒のコンクール)の金賞を連続で取り始めていたので、どんな蔵だろうと興味を持ちました。ちょうどその頃、主人に『たまには旅行してみたら?』と勧められたので、『じゃあ酒蔵に行かせてもらいます』と、そこに行くことにしたんです」。
現在は見学コースを設けている酒造会社も多いですが、当時はまだそんな時代ではなく、飛び込みで訪れた美子さんも、酒蔵の中は見せてもらえませんでした。しかしいろいろ話を聞かせてもらい、日本酒の奥深い世界を知ることになります。「この蔵では杜氏さんが代わるとき、酒造りを2年間やめて、蔵の中をずっと雑巾がけしていたんですって。蔵に住み着いている微生物が、酒造りに影響する『蔵癖』になりますから、それを取るために全部拭いて、それから新しい杜氏さんが来て自分の味の酒を作ったそうなんです。そこまでの心遣いや労力が注ぎ込まれていると知って、お酒へのイメージが全く変わりましたね」。
以来20年、日本各地の酒蔵を巡り、酒造家を訪ね歩きました。その間、平成2年にはきき酒師の資格が発足し、美子さんも翌3年に資格取得。日本酒への知識を一層深め、お店にも自身がほれ込んだ各地の銘酒を揃え、お客様にその魅力を伝えるようになります。

 

 

地元の酒米で醸した正真正銘の「地酒」を創る

そして今から6年前、美子さんはまた別の形でお酒と関わることに。地元の農業生産法人「西神楽夢民村」の代表が美子さんに、「自分たちの飲む酒の米を作りたい」という思いを伝えたのです。ちょうど、お店のお客様にその前年にホクレン(経済事業を行う北海道の農協の連合会)の米麦の部長になった方がいらしたので、美子さんは翌日すぐ札幌のホクレンへ。「会ってお話ししたら、『種籾を渡すのはいいが、できた米が売れなくては話にならない』と言われたんです。日本酒を1タンク仕込むと1升びん3000本分ですので、頭の中で計算し、『うちで3年で売れるかな』と思ってご返事したら、『女将が売ると言うなら僕は渡す』と、道産の酒造好適米『吟風』の種籾を頂けることになり、酒造りは地元の蔵の高砂酒造さんが引き受けて下さることになって、話がとんとんと進んだんです」
そして生まれたのが、美子さんが命名した「風のささやき」。アルコール度数14.3パーセントと軽めで優しい味で、北海道の食材を引き立てます。「正真正銘の地元の酒ができて、酒も肴も全部旭川のものですよ、とおもてなしできるようになったんです」

 

回帰水を通じて知ったお酒から、人の輪も広がって

酒と同じく水に対しても敏感に味や香りを感じる美子さんは、お店にも回帰水を導入しています。「そのまま飲んでも、お茶や料理に使ってもまろやかですね。お客さんにも『お水おいしくなったね』って言われて、焼酎の割り水にしても、喜んでもらっています」。
回帰水とのつながりで、また新しい出会いもありました。美子さんは回帰水を使って焼酎『ばく』が仕込まれているのを知り、昨年、ばくを創った茨城県結城の「酒のたまごや」さんを訪問。そこで茨城の地元の常陸米を使った『武勇』を知ります。「今、新酒鑑評会には、ほとんどが兵庫県産の山田錦というお米を使ったお酒が出品されるんですが、地酒というのは地元の米で醸すべきじゃないかと思うんです。
地元の農家と共に米が育ち、酒が育ち、地域が手を携えていく。たまごやさんではそんな、地元の米と関わっていく地酒文化についてもお話しできました」。
回帰水を通じて人の輪をまた大きく広げられた美子さん。お酒を核として、その思いも大きく広がっています。

 

 

「独酌三四郎」 
〒070-0032 北海道旭川市2条通5丁目左7号
◆電話◆0166-22-6751
◆営業時間◆17:00〜24:00
◆定休日◆日曜、祝日、連休、盆、年末年始、不定休
◆HP◆http://www11.ocn.ne.jp/~dk-sansi/

2009年11月21日