地元素材にこだわり、お部屋には回帰水。

 

創業70年を迎える老舗旅館の3代目女将、高橋仁美さん。
健やかな食、道産の素材にこだわる高橋さんは、毎日客室に回帰水を用意して、お客様を迎えています。

 

▼水は基本なのですね。
扇松園では地下水を使って調理をしているのですが、平成12年に工事をした時、地下水を一時止めて水道水に切り替えたことがあったのです。扇松園の蕎麦処「蕎麦扇」では毎日蕎麦を打っておりまして、私は蕎麦を毎日頂くのですが、その工事の時食べたら、いつもの味と違ったのです。それで、「打ち方は大丈夫?」とか、蕎麦生産者の江丹別と幌加内の方にも、問い合わせをしてみましたが、味が違う原因はお水だったのです。
お水でこんなに味が変わるのだと、そのときしみじみ感じましたね。

 

▼浄水器のお話があった時、いつも使っている地下水がおいしいので、浄水器などの必要性を感じませんでしたが、以前離れたところで工事があった時のことを思い出しました。
その工事の時に、扇松園の地下水の量が減ったのです。原因は工事で水脈が断ち切られてしまった事でした。その為に、新たに管を入れて水を確保したこともありました。
地下水は永久的なものではないのですし、扇松園の施設の中だけを管理すればいいものではないのです。工事・病原菌など何かあるたびに、「美味しく、安全なお水の確保」の心配をしなくてはいけないのです。
今は扇松園の地下水で十分ですけれども、何かあったときのために回帰水を試してみようかという思いで、平成17年にVIPを入れました。
回帰水を始めて口にしたときに、”おいしい“と思いました。海外旅行に行ったときに、各国のミネラルウォーターの味の違いを感じることがありますし、国内でも各地の名水が出回っていて、硬質・軟質・それぞれの好き嫌いはあると思いますが、回帰水はおいしいですね。自信をもって「飲んで下さい」と言えると思いました。
  以前は客室の冷蔵庫に飲み物を入れていたのですが、今はお客様にご自由にお使い頂く為に空にしております。最近はお水にこだわっている方が多いので、美味しい回帰水を飲んでいただこうと、水差しに入れて毎日お部屋に置いております。あまり冷やさないほうがおいしいということなので、卓上に置いて、冷たいのがお好きな方は冷蔵庫へ、とご案内しています。どんなお水かわからずに置くより、「こんなお水です」ってご説明して差し上げたいので、専門の方から仲居さんにお水についての簡単な勉強会をして頂いた事もあります。お客様からの反応も良くて、「お代わりください」と言う方もいらっしゃいます。スタッフの何人かは、回帰水をペットボトルで持って帰っています。

 

▼私は旭川出身なのですが、小さい頃は畑から採れたてのトマトやきゅうりの土を拭くだけで、安心して口に入れることが出来ました。野菜本来の味を食する事が出来た良い環境の中で育ったのです。それが大人になって旭川から離れて札幌や東京に住んでいたとき、スーパーの野菜は何だか味がない、昔の味と違うと感じたことがありました。
後で分かったのですが、農産物を工業製品のように作っているからなのです。出荷する野菜は長さや大きさ、形などの規格を合わせる必要があり、生産性を上げる為、畑一反にいつ、どのくらいの農薬を入れて、どういう作業をして形を整え、生産性を上げてと、農家の方も指導を受けていたのです。
そこに早くから疑問を感じた農家さんもおられました。平成9年当時の農業試験場の名物場長・相馬先生との交流もあり、農業関係の色々な会議に出席させていただき、ユーザーの一人としての意見を言わせて頂いた事もありました。ここ数年は、「食の安全と安心」、「地産地消」とこだわりが出てまいりました。とても良い事だと思います。一部の方だけではなく広く意識が変わってきたと思います。

 

▼北海道は食材の宝庫です。お米も野菜も収穫できて、海産物も豊富というのは、世界中から見ても本当に恵まれている地域だと思います。
扇松園では以前からできるだけ地元の食材を使い、米・野菜など農家さんから直接取り引きをさせて頂いておりました。今では生産者の方から「こんなのが出来たんだけど食べてもらえないかい」とか、「来年は何を作付けしよう」と相談もされるようになりました。「俺は扇松園で使ってもらってるのが自慢なんだ」と言って下さいます。とても嬉しく、光栄です。又反面、責任を感じます。これからもお客様に喜んでいただけますよう、美味しいお料理をお出ししていきたいと思います。私も責任を担っているなと思うんですよ。

 

 

◆◆和風旅館 扇松園◆◆
北海道旭川市高砂台3丁目
http://www.sensyoen.co.jp/

2009年11月12日