キュウリはパキパキ折れるくらいのものがいい。

 

「ならぬことはならぬ農法」を実践する皆川さんのキュウリは、通年栽培が普通になっている今でも5月から10月までの旬を大切にしています。パキッとしてみずみずしい甘い果肉をご賞味ください。

●皆川喜平さんのお話
◯吉田牧子さんのお話

 

●「ならぬことはならぬ農法」というのはですね、会津藩校の日新館の教えにある『ならぬことはならぬ』の考え(白虎隊精神)を根底にしているのですが、農業に係わらずやってはいけないことはやらないということです。だから私は米作りでもキュウリ作りでも、水にこだわります。たんぼに農業用どんぶらこを入れたり、ハウスに無農薬号を使い、絶対に除草剤を使わずに自分で草刈りをするという農法を信条としています。
例えばキュウリは消毒をしたら、その後24時間は収穫してはいけないんですが、そうなると育ちすぎて出荷できなくなってしまう。それでもしょうがない、やってはならぬことをやったら私の農業は終わりだからやらない。これがこだわり百姓としての私のやり方で、回帰水を使うというのも同じことです。

 

◯もともと私の父と皆川さんのお父さんが昔から大の親友なんです。それで父が回帰水で自分の体調が良くなったので、親友にも飲ませたいと言って、平成10年に皆川さんのお宅に来たんです。
当時から皆川家では井戸水を使用していましたが、水質が心配だから浄水器で井戸水用のものがあったら使いたいということで井戸用VIPを付けたんです。それでご自分の育てた野菜を井戸水と回帰水に浸けて食べ比べたら、明らかに違うと。それならこの水を農業に使えば、それでひとつのブランドが出来るのではないかと思い、たんぼ用に農業用どんぶらこ、そしてハウス用に無農薬号と、回帰水を使うようになっていったんです。

 

●私のところで作っているキュウリは「ブルームレス」と言って、表面がぴかぴか光っている種類のものです。これは表面が固く、中が柔らかい。漬物用よりもサラダ感覚でそのまま食べるとおいしいです。
ところが病気に弱いですね。昔、私は東京の神田市場に3年間いまして、友人の誘いで有機農業に関心を持って研究してきたんです。有機肥料を使い、無農薬でキュウリを育てようと会津に帰ってからいろいろトライしました。無農薬での栽培に失敗して5つあったハウスすべてのキュウリが全滅するなど、苦い経験もしてきました。その結果がいまに至っているのですが、ブルームレスのキュウリは回帰水を使ってもどうしても無農薬にはできませんでした。
温度が高く乾燥すればうどんこ病になり、湿度が高くなればベト病が出る。普通、キュウリの収穫を上げようとすれば、肥料をたくさんやってベト病がでるくらいに水を打って、もしベト病が出たら消毒する。この繰り返しでやれば収穫は上がるわけですよ。今年みたいに雨が多いと水分の調整は難しい。でも自分は出来るだけ消毒したくないから、あれこれ工夫してようやく、普通の農家に比べて農薬を7割減らすことができました。いわゆる有機肥料+ 低農薬のキュウリです。いまではこれに回帰水使用という看板が入りますね。

 

●ところでキュウリはキュウリの苗だけではできないんですよ。キュウリの苗を台木であるカボチャの苗に接ぎ木するんです。カボチャの苗は丈夫なので、それを利用してキュウリを育てるんです。
まずキュウリの種を播いて、その2~3日後にカボチャの種を播く。
種を播いて一週間ほどしてから接ぎ木をします。10日ほどでくっつきますから、キュウリの茎の方を切ると一本の苗になるわけです。こうして黄色い花がついて、育っていくわけですね。
うちのキュウリは20~23センチぐらいの大きさで揃えています。もちろん大きいのでも味は変わらないのですが、大きく育てると、その後に続いて出来るキュウリの育ちが悪い。だからサイズ的にはSとMの間ぐらいのものを収穫して出荷します。

お店では皆さん、真っ直ぐなものを求めますが、形で味の違いはありません。グリーンプラネットの方々は形にとらわれないと思いますので、出荷するものは選別にこだわらないで、その分値段をお安くしようと考えています。
私の作るキュウリはどなたが食べても、青臭さがなくて甘い味がするとおっしゃっていただけますから、届いたら、いろいろな食べ方で楽しんでもらいたいと思います。

 

2009年08月17日