チャレンジ精神に支えられて 北の大地に拡がるさまざまな「農」のカタチ

生産に流通にウィンウィンの関係を求めて。

渡部達雄さん(上川郡美瑛町)

 

北海道ならではの詩情溢れる景色がCMにも使われ、訪れる人も多い美瑛の丘でじゃが芋やトウモロコシ、トマトなど多彩な作物を育てている渡部さん。回帰水農法はまだテスト段階だそうですが、『農業用どんぶら子』を使って育てたナスはえぐみが少なく皮が柔らかに、トマトは甘みが増したようだと、その成果に満足しています。

実は渡部さんには、生産者であると同時に合同会社「北の杜倶楽部」の代表という、もうひとつの顔があります。「北の杜倶楽部」は農業生産者の集まりで、現在13名程。各自が生産したものをひとまとめにして「北の杜倶楽部」の名前で出荷しています。もちろんJAとの付き合いもありますが、これからは直接自分達で生産物を販売していこうと、営業を進めています。個人のお客様へ宅配便で送ったり、地元のスーパーへ直接卸したり……美瑛の町のふるさと納税の返礼品やギフトのニーズも多いそうです。倶楽部のメンバーの扱っている作物はおおよそ20種類位とか。ふるさと納税の返礼には18〜20品目をセットにして送っているそうで「やはり色々な野菜が入っていると喜ばれますね。その時採れた旬のものを入れていますし、朝採ったものを昼頃発送するという鮮度の良さも、生産者直のメリットでしょう」

そんな会社の活動の中でもユニークなのがJA沖縄との取り引き。冬、北海道に野菜類が無い頃、沖縄は最盛期といったようにまったく時季が逆ですから、冬は沖縄から北海道へ、夏は北海道から沖縄へ生産物を送るというアイデアです。10年近く前から取り組んできましたが、正式契約にこぎ着けたのは6年程前。やはり信用を得るまで時間がかかったと。

「物事は片方だけにメリットがあるのでは長続きしません。お互いに喜べるようにしなければ」と、渡部さん。『回帰水』と作物の繋がりのように、生産者同志、生産者と消費者、生産と流通、地域と地域など、各々の良い関係を目指す渡部さん達の想いは北の大地で着実に実を結んでいるようです。

 

既成概念にとらわれずに新しい出会いを楽しむ。

安井 敏さん(空知郡中富良野町)

 

 

富良野で奧様と二人で農業にいそしむ安井さん。『回帰水』とのお付き合いは16年程前からという回帰水農法のベテランです。飲用からスタートした回帰水ですが、農業用としても使えるという話を聞き、当時手がけ始めたパプリカで試してみたところ、赤・黄・オレンジと3種類ある苗に色ごとの変化が出たり、色々と面白いことが起こってきたそうで、早速『無農薬号』を導入。安井さんならではのチャレンジが始まりました。「回帰水には驚かされることばかりだった」と当時を振り返ります。農業で一番大事と考えられていた土が、水で変わってしまったり、それまでの概念を覆すことばかり……すっかりハマってしまったそうです。

進取の気性に富み、変化のリスクをものともしない安井さん。回帰水の導入と共に始めたパプリカ栽培も、最近では輸入物が増えて品質より価格の競争になってしまったと、4年程前からトマトに切り換えています。最初は中玉のフルーツトマトでしたが、品質が安定しないことから昨年からは「甘っこ」というミニトマトに。黄色や白の混じったバイカラーコーンと呼ばれる品種からスタートしたトウモロコシも7〜8年前からピュアホワイトという真っ白なものに。現在では同じホワイトコーンの仲間の「雪の妖精」を栽培しています。太くて、鮮度が良ければ生でも食べられ、甘くて美味しい「雪の妖精」はミニトマト同様評判も上々とか。回帰水はハウスのトマトの水やりに、トウモロコシはタンク(1個200L入)7、8個に溜めて畑に撒かれています。もちろん、いずれも播種の際には使われ、苗は回帰水育ちというわけ。

常に市場のニーズに対応した作物の栽培に取り組むということもあるのでしょうが、新しいものにチャレンジすること自体が楽しくてしょうがないといった感じの安井さんに、改めて回帰水について尋ねてみました。「どんな作物にもなるべく農薬を使いたくないんです。細かく分析したわけではないけれど、回帰水はトマトの葉に出るカビや虫を防ぐには効果があるので農薬を減らせますね。ともかく回帰水は頑張ってくれていますよ」と。そして回帰水と出会ったことで、別のジャンルの人や自分とは違う価値観を持つ多くの人々との出会いが増えたことも、生産者としての自分の在り方に大きく影響しているとも。

 

このスケールプロ以上。

尾形 剛さん(旭川市)

 

 

広々とした畑、大きなビニールハウスにはトマトやナス、敷地内には色とりどりの花も咲き誇って……農具一式揃えられ、ひと休み出来る建物も備えられた一画はさながら農園といったところ。ですが、この農園の主、尾形さんはアマチュア、見事な畑も家庭菜園というから驚きです。アマチュアといっても20年以上のキャリアのある尾形さん、設備も畑もプロ以上のクオリティで、そのスケールの大きさにさすが北海道と思わずにはいられません。栽培している作物も家庭菜園の楽しいところで、トウモロコシ、トマト、ナスといった定番から長芋、ササゲ、夕顔からブドウまで——尾形さんいわく、「人に勧められたり、自分で面白そうだと思ったら何でも植えてみる」。花の栽培はもっぱら奥様で、野菜類の播種と苗作りも奥様の担当とか。除草と収穫が尾形さんの仕事だそうです。

そんな尾形さんの畑に『回帰水』が導入されたのは3年程前。それまでも『VIP』は使われていて回帰水のことは良くご存じでしたが、『無農薬号』を設置し、地面に灌水ホースを通して回帰水を撒布しています。回帰水農法の結果は? というとまず化学肥料を使わなくて済むようになったこと。そしてナスは皮が柔らかく、キュウリは枝で長持ちし、トマトは甘くずっしり、花も丈夫で色鮮やかになったようだと。沢山採れる野菜類は、もちろんお二人では食べきれません。ご自分のマンションのエントランスで一部販売することもあるそうですが、殆どはあげてしまうと、これまた太っ腹なお話でした。

2018年12月12日