宮古の農業を良くしていきたい

 

宮古島は島の半分が農地なんです。ちょっと土を掘ると琉球石灰岩の石がぞろぞろ出て来る土地ですが、土壌自体はその石灰岩のおかげで、平均するとpH7を少し超えた弱アルカリ性です。
水はと言えば、山も川もない島ですが、この島の地下には石灰岩でできた巨大な地下ダムがたくさんあって、水不足には絶対ならないんです。硬度は300もあるので硬水なのですが農業用水としてはとても良い水です。

沖縄というと、サトウキビというイメージがあると思いますけれど、私はこの土壌と水の良さを生かした宮古の農業にこだわりたいんです。
旬を大事にした無農薬のうまくて安心できる野菜をずっと研究してきたつもりです。それも今あるものを利用して使ってね。

 

例えば土壌に住んでいる害虫には、捨てられる段ボールを燃やした灰を混ぜることで対処し、空を飛んでくる害虫には宮古特産の島唐辛子を泡盛に漬けておいたものを薄めてかければ退治できるとかです。
いいものを作るために実験して、あらゆるデータを取るのが私のやり方です。そうしないと周りの人を説得できませんからね。

回帰水もそう言う意味では私の実験の対象です。
3年前に、自分の作った野菜を広く知ってもらおうと『やさいカフェ』というカフェレストランを作ったのですが、そこに天宮良さんが見えたのがきっかけでした。
その時にはもう別の浄水器が入っていたので、最初は回帰水に興味はなかったのですが、環境の話や無農薬野菜の話とかを熱心に話し合っているうちに、心の底から同士になれるなと感じたんです。
ある時宮古の地下水をサンプリングして簡易分析をしてもらったら、思ったより汚染されているんです。ちょっとまいりましたね。硬水だけど水自体はきれいだと思っていましたから。
それもあって、回帰水を導入して試そうという気になったのです。
人間にはVIPの回帰水、畑には無農薬号です。
去年の夏は回帰水をペットボトルに詰めて畑仕事です。それまではペットボトルのお茶を買っていたので、処理に困るほど空のボトルが溜まったけれど、その心配がなくなり、おまけに宮古の暑さにも負けず、疲れ知らずで働けました。

畑の実験での驚きは、枯れて捨てようとしていたガヴァの樹に回帰水をかけていたら、20日ぐらいで新芽が出てきて他のと同じほどに成長してきたことです。こういう結果が出るともっともっと試したくなりますよね。
いま、私は1反歩を実験用農場として、そして農業法人の農場として15町歩ほど所有しています。同じ場所ではないので、2トン車の荷台に水タンクと無農薬号を載せて、各農場を廻り、回帰水を散水しています。
特に実験用農場では、いま育てている新しい種類のホウレンソウに期待しています。私はこれを南国ホウレンソウと呼んでいますが、葉が分厚くて、甘みがあるこのホウレンソウは害虫にも強いので、回帰水だけでどれだけ収穫ができるか楽しみです。

農業に関して言えば、消費者が安心して食べられる野菜を作るだけでなく、作った野菜を大勢の人に安定して供給できる仕組み作りも大事だと思っています。
だから農業法人を作って、組織として元気な農業、やりがいのある農業に取り組んでいるんです。回帰水を実験しているのもそのためだし、意識の高い農業をやるメンバー作りにも奔走しています。やさいカフェを発信基地にして、野菜のおいしさを直接大勢の消費者に知ってもらうのもそのためです。

やさいカフェを始めた当時、お客はほとんど地元の人だけだったのに、ここに来て宮古に来る本土のお客さんがえらい増えているんですよ。それも口コミからインターネットに拡がっていましてね。やさいカフェに行くと、川満というおじさんが野菜の話だけでなく、宮古のいいところを教えてくれたり、時には案内してくれるとね…。

古代さんや天宮さんがおっしゃるとおり、宮古はいいところですよ。
例えば四季を蝉の声で感じられるのです。3月になるとサキシマクサゼミが鳴き出し、春の訪れを告げる。4月はニイニイゼミで雨期が来るのがわかる。そして6月にはクマゼミが鳴いて夏本番。ツバメが飛んでくれば、もう秋の気配です。
ここは季節感を大事にして、自然と共に自然体で暮らしていける場所です。
そのなかでも、私は徹底的に旬にこだわって、いい野菜を作っていきたいです。

回帰水をキーワードに、意識の高い者同士がプロとしての仕事をしていく環境作りをすること。それが自分の仕事だとも思っています。
目指すのはエコ推進アイランドです。
いつの日になるかわからないけれど、サトウキビの後にヒマワリが咲き誇り、椿の防風林があって、島の周りにはマングローブが密生している、そんな宮古島を同士とともに作っていきたいですね。

2009年08月05日